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2007年2月 1日 (木)

読売社員 株取引を規制

  読売新聞社(本社・東京)は、社員の株取引を規制する社内規定を2月1日付けで新設する。職務上関与した上場会社等の株式売買を禁止する新ルールが柱。取材部門の中で特に編集局「政治」、「経済」、「社会」の3部はPhoto_546すべての株式売買等を禁止するなど部局別のガイドラインを定め、違反者は解雇を含めて懲戒処分される。手元に届いた「読売新聞社報」(2007年1月18日 第606号)が報じていた。私は読売新聞社を退社して5年以上経つ。社内には社員が守るべき規定がある。株取引を規制した条項がいままでなかったのかと思う一方、その時期はともあれ、こうした規定ができることは大変好ましいことだと、OBの一人として歓迎する。

  社会部記者時代に司法記者として東京地検の特捜事件を取材した。ある製造会社に捜査のメスが入ることがわかった。事件が明るみに出れば株価が下落することは予想できた。農林水産省を担当したこともある。新製品、それも単に経済面紙上だけではなく社会面に掲載されるような話題性があるものなら株価は結構上がるだろう。自らは「株」をやったことはないが、特捜部が摘発した「株価捜査事件」等の取材で、ある程度の知識は持っていた。もしも、私が関係会社の株を持っていたならば、<事件株>は、コトが明るみに出る前に売り抜け、値上がりが期待できるものは買い増ししたり、新たに購入したくなるのではなかろうか---記事を書きながら、そう思ったこともある。「だから自分は株をやらないのだ」と語っていた同僚の経済部記者の顔が今も目に浮かぶ。誠に賢明なことだと思った。

  社報を読んだあと、<他社>はどうなっているのだろうと朝日新聞と日経新聞、それにNHKに電話およびメールを入れて聞いた。朝日新聞は、「1995年(平成7年)から経済部員と社会部員の株取引が正式に禁止されており(禁止規定あり)、これ以外の社員についても、インサイダー取引や職務に関連して知った秘密や人間関係を利用した取引をしないよう、規定を設けている」という返信があった。日経新聞は、編集局関係にはかなり前から規制の規定があったが、昨年、全面的(全社的)に見直しをした」という答えだった。NHKからは「定例記者会見の準備に追われているので後日回答します」(広報部)との連絡が31日夕にあった。(注= 2月2日付けで回答がありました。コメント参照)。 多分、ほとんどのマスコミ関係は程度の差こそあれ、取材部門を中心に株取Photo_545引規制を設けているのではなかろうか。

 インサイダー取引はれきっとした犯罪である。刑事事件とは別に犯罪社員は会社から処分される。最近、各方面の企業でインサイダー取引規制の整備が進んでいる。規制の中身は大きく二つにわかれる。一つは、証券取引法(証取法)に定めているのとほぼ同じ水準の規制。もう一つは、証取法が定める規制以上に厳しく規定しているものである。「株」は個人の財産でもある。議論の根底には、この財産権を社内規則でどこまでやってよいのか---という点にある。厳しい規制を課しているのは、金融、証券、それに、温度差はあるものの新聞等マスコミ関係といわれる。より一層の社会的「公正さ」が求められている企業だからだ。

 どこの会社にも就業規則があり、罰則はそこに規定されているはずだ。就業規則に準拠するとはいえ、読売新聞の「解雇を含む懲戒処分」の明記は、犯罪防止に対する強い姿勢を示している。規制は社員本人の取引ばかりではなく、他人名義での取引や血族、姻族への資金提供、推奨、助言する行為も対象になっている。「コーポレートガバナンス」(企業統治)、「コンプライアンス」(法令順守)という言葉がよく使われる。コンプライアンス違反は企業犯罪の一つで、昨今の菓子メーカにみられるように信用失墜から会社存亡の危機に立たされることがある。どの企業でも同じであろうが、その姿勢をつくる基盤は社員一人一人の自覚・モラルである。テレビ番組でのデータ捏造(ねつぞう)事件もある。読売新聞社が今回新設した社員に対する株取引規制は、単に「株」だけに留まらず、改めてマスコミ界の姿勢を問い、関係者の自覚を促すものともいえる。

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コメント

NHKから2月2日付けで回答を頂きました。「NHKでは『行動指針』(平成16年9月30日制定)で『取材で得た情報を個人の利益のために利用しない』と定めており、職員の株取引についても、この項が適用されます。職務上の義務に違反した場合や、職員としてふさわしくない行為があった場合には、当然、懲戒処分の対象となります」。

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